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日本における孟宗竹の歴史、私たちの取組の背景について


2015年に世界文化遺産の構成資産に登録された、薩摩藩島津家別邸「名勝 仙巌園」のホームページによると、『美味しい筍がとれる孟宗竹発祥の地。近くの石碑には、21代吉貴が中国の江南竹(孟宗竹)2株を琉球から取り寄せて、この地に植えたと彫られています。碑文は五代秀堯(明治の大実業家・五代友厚の父)によるものです。』とあります。

ウイキペディアによると、1736年元文元年)3月に島津吉貴が、琉球在番として琉球行きを命じられた物頭野村勘兵衛良昌に孟宗竹を輸入するように命じ、勘兵衛は琉球滞在中により輸入し、元文3年に帰国すると吉貴のいる仙巌園に孟宗竹を献上した、とあります。


八女市のホームページ<*>には、更に、興味深い記述があります。以下、そのまま転載します。<*>https://www.city.yame.fukuoka.jp/soshiki/5/6/2/2/1454652533709.html


『日本で竹が生育していたという記録は、縄文時代にさかのぼります。また、古事記(712年)や日本書紀(720年)等には、タケノコが食用や薬用として利用された記録があります。


食用タケノコの代表竹種となっているモウソウチクは中国からの渡来種で、元和元(1615)年、立花町上辺春の正光寺に辺春隼人助が中国から持ち帰って植栽して県内各地に広まったと伝えられています。


当時は仏事用など自家消費に利用されていましたが、明治初期頃から物々交換用として利用され始めました。しかし、青果用としては保存性が悪く輸送手段が乏しい時代であったため商品として定着できなかったのですが、大正4(1915)年、白木村の久賀文七らによって始められた缶詰製造が、本格的な生産のきっかけとなりました。その後、行政による竹林振興事業により各地でモウソウチク林が育成され、タケノコ振興の気運が高まる中、昭和50年代のピークを迎えるまで農山村の重要な収入源となっていました。』


以上のように諸説ありますが、竹林面積の広さから言っても、私たちが活動する八女市と孟宗竹は深いつながりがある反面、現代においては、「外来種の暴走が止まらない」象徴的な地域でもあります。


プラスチックの普及、輸入筍の急増により孟宗竹の経済的価値は一気に低下し、竹林を管理する担い手も激減しました。反比例して、地下茎により、次から次に筍が芽吹き、やがて竹やぶとなり、竹やぶを避けるように地下茎が拡散するという、負の循環が続いています。


この負の循環を、好循環の仕組みにできないか?と挑戦するのが今般の取組です。

環境(生物多様性保全)・社会(土砂災害対策)の課題を、竹の産業化を通じ経済的に解決しようとするものです。また、SDGsの考え方である、「No one will be left behind]も私たちの行動指針であり、産業化の過程で、障がい者の就労支援を行うことも重要な活動です。


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